硝子体内注射(抗VEGF抗体)
加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜中心静脈(分枝)閉塞症に伴う黄斑浮腫、強度近視に伴う新生血管黄斑症などの網膜(カメラのフィルムやCCDにあたる画像の撮影をする部分)の中心部分に浮腫や出血を起こす病気に対して、眼球内に抗VEGF抗体という薬液を注射して治療を行います。
当院では手術室で、他の内眼手術(白内障手術などの眼の内側を操作する手術)と同様の消毒、手順で感染対策をして注射を施行しています。
注射後は基本的に眼帯をしていただき、翌日診察時にはずしています。
注射をしていない眼が良く見えず、日常生活に支障を来たす患者さんは眼帯をしない場合もありますので、ご相談下さい。
遠方まで、大きな病院に硝子体注射をするために通っていらっしゃる患者さんが、当院を見つけて来院され”こんなに近くに注射をしてくれる病院があったのね”とおっしゃることがしばしばあります。硝子体注射が必要な患者さんは、高齢のことも多く、移動も大変だと思います。当院でもお役にたつことはできると思いますのでご相談下さい。
薬液もアイリーア®、ルセンティス®、ベオビュ®の3種類を用意し、症例に応じて使用しています。前医と同じ薬液を使うか否かは診察後にご相談させていただくようになります。
硝子体内注射の具体的な手順
- 1.注射日の3日前から抗菌点眼薬を使用していただき、感染予防します。
- 2.当日、治療に必要な、瞳孔を開く点眼薬をご自身で行っていただきます。
- 3.待合室で点眼麻酔薬を3回させていただきます。
- 4.手術室の治療台(歯科医院の治療の椅子と同様の椅子)に座っていただきます。椅子が後ろに自動で倒れて、ベッドになります。移動が難しい方も、車椅子で治療台まで移動し、スタッフが治療台への移動をサポート致します。背中が伸びない方、腰が痛い方なども、クッションなどを利用して補助させていただきます。
- 5.眼球の周りを消毒液で消毒します。
- 6.滅菌された布をお顔にかけさせていただきます(治療する眼の周りだけ露出しています)
- 7.瞼を広げる器械(開瞼器)で瞼を広げ、眼球、瞼の内側を消毒液で消毒します。
- 8.非常に細い針(30ゲージ)で注射を行います。鋭い痛みは無く、押されるような鈍い痛みを感じることがあるようです。
- 9.注射をするときに白眼の血管に注射針が触れると白眼に出血を起こし、見た目が悪くなってしまうことがありますが、眼球の外側のことなので心配ありません。
- 10.抗菌軟膏を点入し、眼帯をします。
- 11.注射と一緒に空気が眼球内に入りますので、丸い、大きな物体が視界の中を動きますが、数日で消失(溶けてなくなります)しますので、ご心配いりません。
基本的に翌日、合併症(眼球内の感染、出血や網膜剥離)が無いかチェックします。その後は、間隔を開けて、頻繁に通院が必要無いように心掛けております。注射を始める時は3か月連続で行うことが多く、それ以後は患者さんによって、頻度や期間が異なります。